☆ 訓練士になった理由
私が訓練士になろうと思った理由は、小学生のころに飼っていた犬にあります。小学校低学年の時、近所で甲斐の仔犬を拾い、親の反対を押し切り飼い始めました。犬を飼うのも初めてで、甲斐がどんな性格や特性を持った犬かもわからず飼っていました。あまり他人と接することもなく成犬になったその子は、家族以外の人を警戒するようになりました。そのせいで二人の人をひどく噛んでしまい、手におえなくなったその子は保健所に引き取ってもらうほかありませんでした。悲しくてずっと泣いていたのを覚えています。
それからは、二度と犬を飼うことを許してもらえませんでした。そのかわり私の犬に対しての興味は人一倍強くなり、小学生のころの私の趣味は犬の図鑑を読むことになっていました。
それから大きくなるにつれ犬に関わる仕事にも興味を持ち、それ以外は考えられなくなりました。その中でも過去の経験から、しつけに関わる「訓練士」という仕事にとても惹かれました。私のような悲しい経験をする人が少しでもいなくなればと思うのと同時に、あのとき「訓練士」という存在を知っていたら保健所に引き取ってもらうだけが解決策ではなかったと感じ、「訓練士」がもっとメジャーな職業になればいいなと思ったからです。
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